口腔ケアとタキシフォリン

食事をすることは単に栄養を摂取することだけでなく、精神的な健康に影響するため、私たちの生活の中で重要な行為であることは言うまでもありません。加齢にともない口腔機能が低下してくると、会話がしにくくなるとともに、食べにくい食材も増えることから栄養状態が悪化し、体力が低下し外出する気力もなくなり人との関わりが少なっていくケースが起こりがちです。
ですから、いつまでも自分らしい生活を維持するためにも、口腔ケアはとても重要なのです。
フレイルとタキシフォリン」の中で介護の一歩手前の状態を「フレイル」と呼ぶと紹介しましたが、歯や口の働きの衰えのことを「オーラルフレイル」 と言って、食べこぼし・むせる・滑舌が悪い・噛みずらい・口が渇くなどの症状が出てきます。
特に歯周病は噛む、咀嚼するという機能だけでなく、口の中の環境の悪化につながりやすく誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。一般的に歯周病は30歳で約80%の人が罹っているといわれており、心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病・肺炎などとの関係性が様々な研究で報告されています。最近では、約 1,500 名を対象とした研究で,現在歯数が少ないほど認知症の発症リスクが高くなるという報告(※)があるなど、歯周病と認知症の関係は注目されています。
※ (Takeuchi K, J Am Geriatr Soc 2017; 65: e95-e100.)

ではどうすればいいのでしょうか。
柔らかいものばかり食べると噛む機能が低下すると言われても、固いものを噛むのは大変です。まずは、できることとして、口の中を清潔に保つために、面倒でも歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ、マウスウォッシュ、液体ハミガキなどを使用して適切な口腔ケアをすることや、かかりつけの歯科で、歯石除去などの定期的な清掃と検診を受けることが推奨されています。
そのほかにも、唇や舌、喉や口周辺の多くの筋肉の働きを衰えさせない必要があるため、自宅で簡単にできるプログラムとして①口や下の動きをスムーズにする、②飲み込むパワーをつける、③かむパワーをつける、④滑舌をよくする、⑤舌のパワーをつける、の5つの効果別体操がなどが紹介されています。
(日本歯科医師会「オーラルフレイルのための口腔体操」https://www.jda.or.jp/oral_flail/gymnastics/

関連するタキシフォリンの働き

タキシフォリンが歯周炎の進行に及ぼす影響をラットを使った研究では、炎症反応を抑えられることや、歯の根を支える歯槽骨の骨形成が改善されることが報告されています。(Aysan Lektemur Alpan, Arch Oral Biol. 2020 Sep;117:104823.)
また、タキシフォリンを歯科治療で使用している医師からは、タキシフォリンによる抗炎症と免疫力の向上によりプラーク(歯垢)があっても宿主の抵抗力を上げて炎症を起こさせないと話されています。

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